2017年4月29日土曜日

v6プラスとIPv4(PPPoE)を併用する(その1)

オンラインゲームでマルチプレイができない等の対策を探してこの記事へたどり着いた方は、まずはこちらの対策を試してみてください。
v6プラスでオンラインゲームをする前に
https://dotsukareta.blogspot.jp/2017/12/v6upnp.html

◇ ◇ ◇

非常に便利なv6プラスですが、一部のオンラインゲームや特定のポートを使うサービスが利用できなくなる等、デメリットもあります。

そこで、二重ルーターを構成してv6プラスによるインターネット接続と、プロバイダの提供する従来のIPv4インターネット接続(PPPoE)を、両方同時に使えるようにしてみます。

用意する物は、v6プラス用のルーターとは別に、どこにでもある一般的なブロードバンドルーターが1台あればOKです。
概念図としてはこんな感じ。


v6プラス用のルーターの配下(LAN側)に、どこにでもある一般的なブロードバンドルーターを接続するだけです。

接続図はこんな感じになります。


v6プラス用のルーター側の設定(「WXR-1900DHP3」の場合)

PPPoEをパススルーするように設定します。
使用するルーターによって設定箇所は異なりますが、「WXR-1900DHP3」の場合は「PPPoEパススルー」欄の「使用する」をチェックするだけでOKです。


  • (詳細設定)-【セキュリティー】-【パススルー】




(設定が完了したら、一度、ルーターを再起動してください)


追加するルーター側の設定

こちらは特に注意事項はありません。
通常はWANポートをONUへ接続するところを、今回は、v6プラス用のLANポート配下にぶら下げるだけ。


こういった感じで二重ルーターを構成する場合、自動設定(AUTO)だとAPモードとかブリッジモードへ勝手になってしまう場合があります。
ルーターを設定する際は、自動設定(AUTO)に頼らず、最初からきちんと「ルーターモード」へ手動で設定してあげましょう。

あとは契約プロバイダの指示通り、通常のインターネット接続用の設定(PPPoE接続設定)をするだけ。


以上です。

これで、v6プラスによるインターネット接続はそのままに、追加したルーター側に接続されたデバイスは、プロバイダの提供する従来のIPv4インターネット接続が利用できるようになります。

切り替え方法

無線接続先で切り替えるも良し。
LANケーブルを挿し替えるも良し。
いつでも従来の接続に戻せますので、v6プラスの調子が悪い時の予備回線として確保しておくのも良いでしょう。


[応用編]ネットワークを混ぜてみる

今回追加したルーターのLANポートと、v6プラス用のLANポートを接続すれば、同じネットワーク上でどちらの接続先も利用できるようになります。


接続方法はこんな感じ。


ルーター同士を2本のLANケーブルで直結するので、一見、ものすごい違和感がありますが、大丈夫。
これで合っています。
2台のルーターのLAN側を共存させているだけですね。

あらかじめ、1台目と2台目のLAN側ネットワークは、同じセグメントになるよう設定しておいてください。
たとえば、1台目のルーターのLAN側アドレスが(192.168.11. xxx)なら、2台目のルーターのLAN側アドレスも、ネトワークアドレス(前半の赤字の部分)が同じになるように設定しておきます。

【注意】
 このような構成にする場合、IPアドレスやDHCPがバッティングしないように気をつけてください。

  • 追加ルーターのLAN側 IPアドレスは固定すること
  • 追加ルーターのDHCP機能はOFFにすること
  • 追加ルーターのIPv6パススルーはOFFにすること(IPv6をブリッジしない)

例えば、v6プラス用ルーターのLAN側アドレスが(192.168.11.1)なら、追加ルーターは(192.168.11.100)とか、既存の機器とダブらない所で固定しておきます。

※補足:Buffalo製ルーターを2台目として追加する場合
 Buffalo製のルーターはWAN側とLAN側のMACアドレスが共通のモデルが多いため、PPPoE接続用に2台目のルータとして追加しても、うまく動作しない場合があります。
 この問題は、追加するBuffalo製ルーターのWAN側MACアドレスを変更することで回避できます。



切り替え方法

切り替えは、PCや接続する機器側で「デフォルトゲートウェイ」を切り替えるだけです。

※ルーターのIPアドレス(ゲートウェイ)の例

  • v6プラス用ルーター(192.168.11.1
  • 追加したルーター(192.168.11.100

上記のように設定していた場合、v6プラスを使いたいPCはネットワークの設定でデフォルトゲートウェイにv6プラス用ルーターのアドレス(192.168.11.1)を設定します。

ゲーム機やWebカメラなど、プロバイダの提供するIPv4(PPPoE)で接続したい場合は、追加したルーター側のアドレス(192.168.11.100)を使うように設定しておけばOKです。

全ての機器は同じLAN上にあるので、お互いに参照も可能。
これなら管理も楽ですね!

2017年4月28日金曜日

v6プラスのレスポンスを改善する

v6プラスにしてから、確かに通信速度は高速・安定しスピードテストの結果も上々なのだが、時々、WEBを閲覧していると画面遷移にもたつくことがある。

一旦、ページを開いてしまえばあとは速いのだが、例えばニュースサイトを見ていても、新しい記事をクリックするたびに、次のページが表示されるまでが遅くて待たされる。

こういった症状は、「DNS」が原因かもしれません。
  • 画面遷移が遅い。画面の切り替えにもたつく。
  • 新しいページが表示されるまで時間がかかる。開くまで待たされる。
  • いつも見ているサイトが「このページを表示できません」「このサイトにアクセスできません」のエラーで見られない。
  • WEBページを表示する際、「待機中」「ホストを解決しています」の時間が妙に長い。

原因

v6プラスで接続すると、通常はNTT東西のDNSサーバーが自動的に割り当てられるようなのですが、混雑時にはレスポンスが悪くなり応答を返さなくなる場合もあるようです。

改善方法(「WXR-1900DHP3」の場合)

予備のDNSサーバーを追加して改善してみましょう。
  • (詳細設定)-【LAN】-【LAN】

DHCPサーバー設定 [拡張設定]欄で、「表示する」にチェックを入れると、追加の設定項目が表示されます。
ここの「DNSサーバーの通知」欄で「指定したIPアドレス」を選択し、以下のアドレスを登録します。

プライマリー: 8.8.8.8
セカンダリー: 8.8.4.4

※「8.8.8.8」「8.8.4.4」は、Googleの提供する無料DNSサービス「Google Public DNS」です。非常に高速で、且つ、IPv6/IPv4両方に対応しています。

以上でルーターの設定は完了です。
設定内容をPCに反映させるため、コマンドプロンプト(又はWindows PowerShell)から、以下のコマンドを順番に入力します。
  • ipconfig /release ‥今のネットワーク設定を一旦破棄
  • ipconfig /renew ‥ルーターからネットワーク設定を取得し直す
  • ipconfig /flushdns ‥DNSキャッシュをクリア

あ、こんなコマンドを打つのが面倒だったら、PCを再起動するだけでもOKですよ。
PCを再起動すると新しい設定が反映されます。

2017年4月27日木曜日

v6プラスでWXR-1900DHP3を使ってみた(その2)

(前回)からの続き

無事v6プラスで接続できるようになったのは良いのですが、「インターネット@スタート」におまかせだと、何もかも全自動で、ルーターを再起動するたびに回線種別判定が入ってしまいます。
そこで、手動できちんとv6プラス用の接続設定をしてみました。

設定は、本体背面のスイッチを、【MANUAL】ー【ROUTER】の状態でルーターの電源を入れて、メインメニューの「詳細設定」から行います。

  • 【Internet】-【Internet】

IPアドレス取得方法を「v6プラス接続を使用する」にします。


  • 【Internet】-【IPv6】

IPv6接続方法を「NDプロキシを使用する」にします。



  • 【ステータス】-【システム】 

ここで、ステータスを確認します。

  • IPアドレス取得方法: v6プラス接続サービス 
  • IPv6接続方法: NDプロキシ接続 
  • IPv6接続状態: NDプロキシ 

※2017年11月01日
 WXR-1900DHP3シリーズ ファームウェア Ver.2.54 について
 「v6プラス接続を使用する」に設定すると接続できなくなる不具合が確認されています。この場合、以下の設定をお試しください。


  • IPアドレス取得方法:「インターネット@スタートを行う」
  • IPv6接続方法:「NDプロキシを使用する」


以上です。
IPv6接続方法は、「IPv6パススルーを使用する」にしても、もちろん繋がりますが、「NDプロキシを使用する」の設定を強く推奨します。




NDプロキシではルータのファイアウォールとIPv6フィルタが適用されます。

一方、パススルーにしてしまうと家庭内の端末が直接インターネットに晒されてしまいますので、セキュリティには留意しておきたいところです。

参考:IPv6パススルーを許可した結果..



2017年4月26日水曜日

v6プラスでWXR-1900DHP3を使ってみた(その1)

v6プラスでWXR-1900DHP3を使ってみました。
箱から出したら、電源を入れる前に、まずここを確認。


本体背面のスイッチを、
  • MANUAL
  • ROUTER
にしておきます。
この「AUTO/MANUAL」の切り替えスイッチがAUTOの場合、すぐ下にある「ROUTER/AP/WB」スイッチの設定を無視して、ルーター機能のON/OFFを自動判定するらしいのですが、誤動作の原因です。迷わず「MANUAL」にしておきましょう!

そして、INTERNET端子(青)に、NTT西日本のONUを接続。
LAN端子側にはPCを接続して電源をONにします。

はい、あっさりとv6プラスで接続できましたヨ。

http://ipv6check.biglobe.ne.jp/

BIGLOBEの提供するIPv4/IPv6接続判定ページで、最後の試験10:v6プラスのインターネットアクセス(IPv4 over IPv6)が、しっかりOKになっています。

あれ?v6プラスの接続設定は?

はい、何もしていないのに完全自動で勝手に繋がりましたよ。
本当にLANケーブルを接続して電源を入れただけで、何もしていません。
どうなっているのか、設定を確認してみましょう。


  • IPアドレス取得方法:インターネット@スタートを行う-v6プラス接続
  • IPv6接続方法:インターネット@スタートを行う
  • IPv6接続状態:NDプロキシ


確かにしっかり「通信中」状態になっていました。
どうやら「インターネット@スタート」という機能が効いたようです。

ルーターの電源ONと同時に接続されている回線種別が判定され、v6プラス(IPv6接続オプション)が開通していると見るや、最優先でv6プラス用の接続設定に自動構成されてしまったようです。




v6プラス対応ルータ WXR-1900DHP3を購入


@niftyでv6プラスを申し込んでみたの続き。

先日、せっかくIPv6通信サービスが開通したのだから..
というわけで、v6プラス対応ルーターを購入してきました。

機種は、BUFFALOの新製品、WXR-1900DHP3です。
※新製品と言っても、旧機種のWXR-1900DHP2とは、ほぼ同等のスペックで、機能差もほとんど無いようです。

普段は@niftyのインターネット接続サービス(IPv4 PPPoE)でも十分な速度が得られていましたが、ここ最近は夜の9時前後になるとかなり落ち込むんですよね。
(アクトビラ、TSUTAYA TVといったテレビ向けの動画配信サービスを時々利用しているのですが、映像がコマ送り状態となり音声が途切れるなどの実害有り)

これで、v6プラスによるインターネット接続(IPv4 over IPv6)を試してみたいと思います。

2017年4月24日月曜日

v6プラスとIPv6接続オプションの契約状況を確認する

@niftyが提供するIPv6接続サービスの契約情報確認ページは2種類用意されているようです。

v6プラス:ご利用状況照会

IPv6接続オプション:ご利用状況照会
→  https://entry.nifty.com/ipv6_entry/reading.do

先日、自分が申し込んだのは「v6プラス」の方
@niftyでv6プラスを申し込んでみた

しかし、結果的に「IPv6接続オプション」の方で開通しています。

v6プラスの申し込みページに紹介されていた契約状況確認ページ(v6プラス用のページ)をいつもチェックしていたのですが、まったく更新される気配がないので変だと思っていたのですが、、



しっかり別に「IPv6接続オプション」専用の確認ページが用意されていました。

こちらはちゃんと「利用中」となっています。

2017年4月22日土曜日

@niftyでv6プラスを申し込んでみた

@niftyが無料で提供しているIPv6接続サービス「v6プラス」に申し込んでみました。


  • 回線契約:NTT西日本フレッツ光ネクスト隼(ひかり電話契約なし) 
  • 自宅の終端装置:ONUのみ(ホームゲートウェイなし) 
  • NTTのフレッツ・v6オプション契約状況:契約なし 
  • ルーター:ヤマハNVR500 (v6プラス非対応) 

以上のような環境からの申し込みです。

@niftyが提供しているIPv6接続サービスは「v6プラス」の他に「IPv6接続オプション」というのがあって、サービス内容は若干異なります。

  • IPv6接続オプション: 本来のIPv6(IPoE)によるインターネット接続サービス
  • v6プラス: 上記に加え、IPv6通信上にIPv4を乗っけて高速通信を行う機能(IPv4 over IPv6)が追加されています。

@niftyに「v6プラス」を申し込むと、まず@nifty側から利用環境の確認が行われます。
この時、NTTが提供するHGW(ホームゲートウェイ)が接続されていない場合は「v6プラス」ではなく「IPv6接続オプション」としてサービスが開通されます。

 ただし、その場合においても「v6プラス」に対応した市販ルーターを使用すれば、v6プラスの主要サービス(IPv4 over IPv6)は利用できるようです。
要するに、HGWとの連携の有無でサービス名を使い分けているという感じでしょうか。

v6プラスの申し込み

v6プラスの申し込みは、@nifty会員であればWebから簡単に申請できます。(無料)
申請に際しては、NTT側の提供する「フレッツ・v6オプション」も同時に契約する必要があるのですが、これは@niftyが登録代行をしてくれるようです。

(参考)v6プラスのご案内@Nifty

IPv6インターネット接続の開通

Webから申請後、わずか2時間程度で、IPv6でのインターネット接続が開通しました。
NTT側の「フレッツ・v6オプション」契約が無い状態からの申請で、しかも申請したのは休日でしたので、登録代行手続きに何日もかかることを覚悟していたのですが、短時間であっけなく開通したのは予想外でした。



ただし、自宅にはNTTが提供するHGW(ホームゲートウェイ)が無いため、契約上は「v6プラス」ではなく「IPv6接続オプション」の方が開通した状態と思われます。

現在使用しているヤマハNVR500は、v6プラスには対応していない、どこにでもある一般的なブロードバンドルーターですので、v6プラスによる接続サービスは試せませんが、上記IPv6接続性確認サイトの各項目はしっかり「OK」になりました。

契約状況の確認

@nifty側

@niftyでのv6プラスの契約状況は以下のページで確認できます。
https://entry.nifty.com/ipv6_entry/plus_reading.do


「v6プラス」として申し込み、自宅にHGWが無くて「IPv6接続オプション」として開通した場合、このページは何日経っても「未契約」のまま更新されません。
不親切ですがそういう仕様なのでしょう。

サービスの利用を開始した2日後に、「【@nifty】IPv6接続オプション ご利用開始通知」というタイトルのメールが@niftyから届きました。


うん、申し込んだのは「v6プラス」の方でしたが、やはり環境を自動判定されて「IPv6接続オプション」として開通したようです。

NTT西日本側

NTT西日本側の契約状況は、CLUB NTT-West会員メニューで確認できます。
しっかり@niftyが登録代行をしてくれたようで「契約中」となっていました。
(こちらは契約状況が反映されるまで一週間程度かかるようです)
尚、「フレッツ・v6オプション」の開通通知は、郵送でも届きます。


スピードテスト

IPv6専用のスピードテストを実行してみました。
なかなか良好なパフォーマンスです。

IIJmio IPv6スピードテスト(β)


こちらは一般的なIPv4のスピードテスト。

SPEEDTEST by OOKLA
今はv6プラスで接続しているわけではありませんので、@niftyの提供するIPv4(PPPoE)とIPv6接続と併用(デュアルスタック)の状態ですが、従来のIPv4のみにしか対応していないサイトも、もちろんそのまま問題なく閲覧できます。
パフォーマンスの低下もありません。

ルーターの設定について

接続設定

ヤマハNVR500に、IPv6(IPoE)用の接続設定と、IPv4(PPPoE)接続の両方を設定しておきます。
YouTubeなどIPv6に対応したサイトでは高速なIPv6、従来のサイトはIPv4と、勝手に振り分けてくれます。(デュアルスタック)


セキュリティ

IPv6(IPoE)で接続する場合、ブリッジ(いわゆるパススルー)でIPv6を大通しにしてしまうと、家庭内の端末が直接インターネットに晒された状態になるので、セキュリティには留意しておきたいところです。
NVR500では、接続設定の画面でセキュリティレベルを指定するだけで、IPv6用に基本的なファイアウォール・ルールを自動的に作成してくれます。


v6プラス(IPv4 over IPv6)について

こちらは、BIGLOBEの提供するIPv4/IPv6接続判定ページです。

http://ipv6check.biglobe.ne.jp/

試験3と試験4で、正常にIPv6接続が出来ていることが分かりますね。

試験5と試験6は、NTT西日本からの接続なのでパス。(---)
(東日本からテストした場合は、試験7と試験8がスキップされると思います)

試験9は、NTTが提供するHGW(ホームゲートウェイ)が接続されていない場合は必ず「NG」になります。

さて、「v6プラス」の場合、一番重要なのは、最後の試験10です。
ヤマハNVR500は「v6プラス」に対応しておりませんので「NG]になっています。
v6プラス機能(IPv4 over IPv6)で接続されると、ここが「OK」になるはずなのですが、今はまだ試せません。
いつか対応ルーターを購入したら試してみたいですね。